レッドデータブックとは、絶滅のおそれのある野生生物の情報をとりまとめた本のことで、国際自然保護連合(IUCN)という団体が、1966年に初めて発行しました。そこには、世界的な規模で絶滅のおそれのある野生生物と、その生息状況が解説されています。レッドという言葉は、例えばレッドカードやレッドゾーンなどのように、危険な、危機的なというイメージを連想させます。初期のレッドデータブックはルーズリーフ形式のもので、もっとも危機的なランクに選ばれた生物の解説は、赤い用紙に印刷されていました。その後IUCNからは順次改訂版が発行されていて、また、いくつかの国からはその国のレッドデータブックも発行されています。
日本でも、1991年に「日本の絶滅のおそれのある野生生物」というタイトルで環境庁(今の環境省)がレッドデータブックを作成し、2000年からはその改訂版が順次発行されています。
さらに、全国的には絶滅のおそれがないものでも、ある地域では絶滅の危険があるなど、野生生物の生息状況はその地域によって違うため、各都道府県がそれぞれの地域のレッドデータブックを作成しています。
北海道でも1994年に北海道版レッドデータブックの作成を始め、2001年に「北海道の希少野生生物 北海道レッドデータブック2001」を発行しました。
自然の豊かな北海道には、本州以南では生育しない北方系の野生動物や北海道だけにしか生育しない高山植物などが見られます。しかし、開発や乱獲、盗掘など様々な人間活動の影響で、存続の危ぶまれている野生生物も見受けられます。今、これらの野生生物の現状を把握し、今後の保護のありようを検討することが急務となっております。そのために、この北海道版レッドデータブックが各行政機関はもとより、事業者や道民の皆様に広く活用され、保全への理解と取組みが進められることを期待しています。
最後に、本ホームページの作成にあたりまして、御助言をいただきました「北海道レッドデータブック作成部会」の委員をはじめ、写真の提供や撮影に御協力をいただきました多くの関係者の皆さまに対し、心からお礼を申し上げます。