ハナカジカ
学名 Cottus nozawae   カサゴ目   カサゴ科
分類群 5
RDBランク 8 (魚類)
和名 ハナカジカ
目科 カサゴ目   カサゴ科
学名 Cottus nozawae
具体的要件 (1) 国際的、国内的に保護を要すると評価されているもの。
分布 日本のみに分布する固有種である可能性が極めて高い。北海道のほぼ全域に分布するほか、東北地方の一部の川にも不連続に生息する。サハリンに分布するとの報告もあるが、最近の詳細な分布調査では生息が全く認められなかったことから、分布しないと判断される。
生息環境 礫底の渓流環境に生息する。エゾハナカジカと共存する河川では、その生息域よりも上流部にあたる中・上流域の平瀬の石礫底や蛇行型の淵に多く分布する。しかし単独で生息する河川では、流程分布の下限は下流域にまで及ぶ。
生活史 一生を淡水域で過ごす、陸封魚。孵化仔魚は全長8.0〜8.2mmで、負の走光性を示し、直ちに巣内、周囲の礫の間で底生生活に入る。卵黄は孵化後約5日、全長9.9mm程度のころにほぼ吸収され、移動・分散して川岸の浅瀬で生活する。孵化後約20日で全長13mm程度で鰭条数が定数に達する。その後、一年目の秋まで平瀬の礫底に分散し単独生活を過ごす。雌の多くは2年で、雄は3年で成熟する。全長は15cmに達する。
摂餌生態 肉食性かつ貪食で、石に付着する水生昆虫を主にとるほか、流下昆虫、小型底生動物、小魚やサケ卵等、何でも食べる。
繁殖生態 北海道南部での産卵期は、エゾハナカジカより少し遅く4月中旬〜5月中旬。雄は通常の生息場所よりも流れの緩やかな平瀬(水深30cm程度、表面流速0.1〜1m/s)で、適当な礫石が散在する場所に移り、浮石の下の空所になわばりをつくる。雄は複数の雌とつがうことが多いが、1尾の雌とのみつがう場合もかなり見られる。産卵後、雄は孵化まで卵を保護する。保護行動には、巣への侵入者に対する攻撃行動、胸鰭による水あおり(ファンニング)、および口や尻鰭による清掃行動などが見られる。成熟卵サイズは2.5〜3.1mm、産着卵数は400程度である。受精後24〜26日(水温10℃)で孵化する。
生息状況 産卵・生息場所が浮き石の礫底であり、一定の大きさをもった浮き石の存在が重要となるので、河川改修の際には河床の改変を極力さけることが望ましい。
環境庁RDB1991
環境庁レッドリスト1999
水産庁1998
天然記念物
備考