エゾウグイ
学名 Tribolodon ezoe   コイ目   コイ科
分類群 5
RDBランク 8 (魚類)
和名 エゾウグイ
目科 コイ目   コイ科
学名 Tribolodon ezoe
具体的要件 (1) 国際的、国内的に保護を要すると評価されているもの。
分布 北海道ではほぼ全域に分布する。本州では青森、秋田、岩手、福島などの各県の比較的大きな川の上流部にわずかに分布する。サハリンからシャンター島あたりまで、および沿海州の一部に分布するが、朝鮮半島には分布しない。
生息環境 '河川形態がAa-Bb移行型からBb-Bc移行型の区域や、池沼に生息する。河川では、どちらかといえば急流を避け、ゆるやかな瀬や淵に多く、主に底層近くを泳ぐ。一般にウグイと混生するが、エゾウグイの方が上流にまで分布する。春から夏にかけては比較的上流(Aa-Bb移行型)にも生息するが、秋季から冬季にかけては流速の遅い下流域(Bc〜Bb-Bc移行型)に移動する傾向が見られる。ウグイ同様水質汚濁に比較的強く、ほかの魚がすめないようなpH3という強酸性の水でも生息可能である。
生活史 一生を淡水で過ごす、河川・湖沼性魚。孵化仔魚は全長6.7mm程度。最小成熟個体は、雄で体長8.8cm、雌で12cm程度である。ウグイ属中最も小型で、成魚の全長は一般的には15〜20cmであるが、30cmを超えるものもいる。
摂餌生態 雑食性であるが,底層で餌をとることが多く、ウグイほど水面の餌を食べない。
繁殖生態 産卵期は、北海道の鵡川では6月中旬〜下旬(水温15.0〜24.0℃)で、ウグイ、マルタウグイよりやや遅い。産卵期の成魚には、胸鰭、腹鰭、尻鰭の各ひれ基底に赤い婚姻色が現れる。追星は、雄の頭部および体部背面に微細なものが現れ、雌には現れない。産卵行動はウグイとほぼ同様であるが、やや流れのゆるい場所が選ばれる。産卵に先立ち雄が群れで動くようになり、そこに排卵した雌が順次群れに入るか、雄に追尾されて産卵する。淵尻には砂礫に吻を突っ込んで掘り下げたすりばち状の産卵床も見られる。卵は約1.5mm程度の粘着卵で、砂礫底の石の上面や下面に付着する。マルタウグイとの間で雑種を作ることも少なくないが、ウグイとの交雑は少ない。
生息状況 道南の一部を除き、道内全域の低・高地性の河川や湖沼に分布する。生息数はかなり多い。
環境庁RDB1991
環境庁レッドリスト1999
水産庁1998
天然記念物
備考