分類群 |
5 |
RDBランク |
7 (魚類) |
和名 |
道南のカワヤツメ個体群 |
目科 |
ヤツメウナギ目   ヤツメウナギ科 |
学名 |
Lethenteron japonicum |
具体的要件 |
(2) 地方型としての特徴を有し、生物地理学的観点から見て重要と判断される地域個体群で、その地域において絶滅に瀕しているか、その危険が増大しているもの。 |
分布 |
北海道と、茨城県・島根県以北の本州に分布する。スカンジナビア半島東部からベーリング海峡を経て朝鮮半島にいたるアジア大陸の東岸とアラスカに分布している。 |
生息環境 |
アンモシーテスは、河川中流の淵や下流のやわらかい泥の中にもぐって生活する。変態後の若魚は水流が強く当たり、湿生植物の根が露出している場所にひそんでいる。成魚は、テトラポットや大きな障害物の下に隠れて生活する。 |
生活史 |
産卵の為に河川に遡上する遡河回遊魚。孵化したアンモシーテス幼生は全長約4mm。孵化後すぐに産卵場から離れて、軟泥の堆積している淵に流下し、その場所に孔を掘って潜入する。。初めは黄色味がかった白色で不透明であるが、一週間すると透明になり、腹部に色素が沈着して暗緑色を呈する。幼生期間は約4年で、北海道では夏の終わりから秋にかけて変態する。変態時の全長は約16〜18cmで、その冬を川で越してから雪解けとともに海に下る。海中生活の期間は2〜3年といわれている。40〜60cmに成長した親魚は産卵の前年に遡上し、淡水域で冬を越した後、雪解け水のおさまるのを待って春に産卵するものと、春に遡上して夏産卵するものの2群が存在する。道南の厚沢部川や大野川では変態直後の若魚と同じ大きさで成熟する「矮小成熟個体」も見られる。 |
摂餌生態 |
アンモシーテスは泥の中の有機物やけい藻類を食べる。変態後の成魚は、河川生活中には餌をとらない。海中生活期には他魚の血を吸って成長するといわれる。 |
繁殖生態 |
北海道での産卵期は雪解け水の治まる4〜6月頃。産卵場は礫の堆積する平瀬や淵尻で、雄が口や尾を使って水底にすりばち状の産卵床をつくる。雄は雌が近づくと頭部に吸い付くとともに、互いの生殖突起を接近させるように巻き付き、雌雄が震えながら産卵する。産卵後は雌雄ともに死ぬ。一尾の卵数は約8〜12万個。卵は直径約1mm、不透明な淡灰色で弱い粘着性がある。水温12〜16℃では、受精後14〜18日でふ化する。他の魚類と異なり、ヤツメウナギ類の卵発生は全割となる。 |
生息状況 |
道内では日本海側の河川に多く生息するほか、他の各地にも分布する。アンモシーテスや変態後の若魚が好む地形は、河川改修によって真っ先に護岸されてしまうところである。資源量を減らさないために、河川環境を良好に守る必要がある。 |
環境庁RDB1991 |
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環境庁レッドリスト1999 |
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水産庁1998 |
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天然記念物 |
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備考 |
1) 道南 |