分類群 |
5 |
RDBランク |
7 (魚類) |
和名 |
道南のスナヤツメ個体群 |
目科 |
ヤツメウナギ目   ヤツメウナギ科 |
学名 |
Lethenteron reissneri |
具体的要件 |
(1) 希少種に準じて保護に留意すべき種の地域個体群で、生息・生育域が孤立しており、その地域において絶滅に瀕しているか、その危険が増大しているもの。 |
分布 |
北方集団:北海道・青森県及び本州中部地域に分布する。南方集団:秋田県・岩手県以南の本州、四国と、鹿児島県・宮崎県を除く九州に分布する。沿海州、中国北部、朝鮮半島に分布すると報告されてきたが、最近の調査によって、大陸側に分布せず日本固有種である可能性が高くなった。 |
生息環境 |
主な生息場所は湖沼、湿原の細流、および河川中・下流域(Bb型〜Bc型)等で、アンモシーテス幼生・成魚ともに人為的に汚染されていない軟泥の堆積する淵、もしくは湧水池と、産卵場となる平瀬や淵尻、または水路の泥の被っていない礫底がそろっている環境を好む。特に泥底を有する環境に多く生息する。河川上流域(Aa型〜Aa-Bb移行型)では少なくなるが、小規模な淵に生息することもある。 |
生活史 |
一生を淡水で過ごす河川性種。産卵後約1ヶ月ほどで仔魚は産卵床から泳ぎ出て、軟泥の堆積する淵まで移動し、泥中に潜って生活する。約45日後には全長8.5mmとなって卵黄吸収を終え、摂餌を始める。3〜4年後の夏の終わりから秋にかけて変態し、成魚になる。変態直後(成魚)の体長は14〜19cm、成魚は全く餌をとらずに体長13〜16cmに収縮したのち、翌年の春に産卵して死亡する。 |
摂餌生態 |
アンモシーテス幼生は、泥中の有機物やけい藻類を食する。成魚は餌をとらない。 |
繁殖生態 |
産卵期は雪解け水の治まる4〜6月頃。産卵場所は河川の中流域の淵尻や平瀬、湧水池から流出する水路の礫底部分である。体長が小型のため、直径の小さな礫の部分が選ばれる。主に雄が口で礫を運び出すとともに、尾で砂礫を舞い立たせてすり鉢状の産卵床を作る。産卵形態は基本的にペア型であるが、一つの産卵床に雌雄多数が集合して乱婚形態をとる。雄は雌の頭に吸い付いて、泌尿突起が雌の総排泄孔の近くになるように体を巻き付け、互いに体を震るわせながら放卵・放精する。産卵後、卵を保護することはない。卵は水温19℃で10日前後で孵化する |
生息状況 |
本種の生息環境である軟泥の堆積する淵、湧水池、平瀬や淵尻等の環境が河川改修・農地改良、圃場整備などにより近年減少しており、本州南部・四国・九州において本種は激減している。北海道では、現在のところ普通に見られるが、生息数についてはよく判っていない。 |
環境庁RDB1991 |
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環境庁レッドリスト1999 |
絶滅危惧II類 |
水産庁1998 |
希少種 |
天然記念物 |
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備考 |
1) 道南 |