分類群 |
5 |
RDBランク |
6 (魚類) |
和名 |
シラウオ |
目科 |
サケ目   シラウオ科 |
学名 |
Salangichthys microdon |
具体的要件 |
(1) 環境条件の変化によって容易に上位ランクに移行し得る属性を有するもの。a どの生息・生育地においても生息・生育密度が低く希少である。b 生息・生育地が極限されている。d 生活史の一部または全部で特殊な環境条件を必要としている。 |
分布 |
北海道から太平洋側では岡山県、日本海側では熊本県までの主要河川の河口域と汽水域に分布する。サハリン西南部と、朝鮮半島東海岸、さらにはウラジオストック近辺にも分布する。 |
生息環境 |
主に河川の河口域や汽水湖に分布している。通常は水深4m以下の浅場に生息する。霞ケ浦や八郎潟などでは淡水化後も生息が確認されている。塩分濃度の変化に強く、卵は淡水でも海水でも正常に発生する。また、仔魚も淡水から海水まで生存可能のようである。 |
生活史 |
汽水域で生活史を完結する汽水性淡水魚。孵化仔魚は体長4.7〜5.7mmで、約72時間後(全長6.2mm)には卵黄を吸収し、約80日後には腹鰭や油鰭が出現して稚魚となる。一般的に仔稚魚は、引き潮時には底層に沈み、上げ潮時には表層近くまで浮くことにより、沿岸水域へと流されるのを防いでいると推察される。1年で雄は9cm、雌は10cmまで成長する。 本種は幼形成熟により、体の各器官の分化の程度を機能上必要最小限に抑える、回遊などを行わないことにより、器官形成および運動に必要なエネルギーを最小限に抑え、繁殖へのエネルギーに回しているとも考えられる。 |
摂餌生態 |
主に動物プランクトンを食べる。仔稚魚期には主にワムシ類を食べ、成長に伴い、ハゼ類の仔稚魚などもとるようになる。 |
繁殖生態 |
産卵期は西日本では2〜4月,東日本では3〜5月(北海道では5月上旬〜下旬)と北方で遅くなる。産卵期には河川を遡るが、雄と雌は別群落を作って回遊し、産卵場で合流する。卵は水深2〜3m以浅の砂礫底や水草・水藻に産み付けられる。卵の直径は0.7〜1.0mmで、産出されると外卵膜が反転して16〜20本の粘着糸となり砂や水草に付着する。1年で成熟し、卵数は400〜2700程度であるが、数回に分けて産卵する。水温10℃で20日、15℃で10日前後で孵化する。産卵後は雌雄ともに死亡する。なお、汽水湖に生息する個体では卵径が小さく(平均0.65mm)孕卵数が多いが、河川河口域に生息する個体では卵形は大きく(平均0.98mm)孕卵数は少ない傾向が見られる。 |
生息状況 |
'近年河川改修により、本種の産卵環境は減少傾向にある。さらに河口域の水質汚濁などにより、生息数も明らかに減少している。 |
環境庁RDB1991 |
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環境庁レッドリスト1999 |
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水産庁1998 |
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天然記念物 |
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備考 |
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