分類群 |
5 |
RDBランク |
6 (魚類) |
和名 |
ウナギ |
目科 |
ウナギ目   ウナギ科 |
学名 |
Anguilla japonica |
具体的要件 |
(1) 環境条件の変化によって容易に上位ランクに移行し得る属性を有するもの。a どの生息・生育地においても生息・生育密度が低く希少である。 |
分布 |
太平洋側は北海道の日高地方以南、日本海側は石狩川以南の日本各地に分布するが、新潟県・宮城県以北には少ない。琉球列島ではオオウナギの方が多い。朝鮮半島南部・西部炎がいい気から中国大陸を経てベトナム北部まで、また海南島、台湾島と、フィリピンのルソン島北部から知られている。 |
生息環境 |
河川の中・下流域や河口域、湖等が主な生息場所となるが、水温の暖かい場所であれば、増水時の流れを伝って普段は海に連ならない場所にまで入り込む。目的の場所に落ち着くと、石垣、土手の穴、泥底などに潜む。定着性が強く、広い年周移動は行わないが、夏上流へ、冬下流へ移動する個体もいる。 |
生活史 |
産卵のために川を下り海に降下する降河回遊魚。マリアナ諸島西方で孵化したレプトケファルス幼生は3ヶ月前後漂流し、シラスウナギに変態する。生後4〜6ヶ月かかって日本沿海に着いたシラスウナギは体長44〜66mm程度で、1〜3月頃河川を遡上する。水温、資源量により、12月に開始されることもある。遡上時の水温は一般的には8〜10℃以上。遡上はほとんど夜間に限られ、日没とともに行動を開始し、日没後3時間以内にもっとも盛んになる。シラスウナギは遡上後約2週間(水温11℃)で体色が黒変し(クロコ)、全長16cm程度でウロコができはじめる。天然ウナギでは1歳で体長22cm、3歳で30cm、5〜6歳で50cmあまりとなる。5年から10年間の河川生活の後、産卵のために、8〜10月に降海する。下りウナギは体が銀白食に変化し、眼が大きくなる。成熟年齢は天然ウナギの早いもので4歳、養殖もので2歳(淡水生活期の年齢)である。 |
摂餌生態 |
レプトケファルス幼生は、主に等脚類のプランクトンを食べる。稚魚は動物プランクトン、成魚・未成魚は甲殻類、水生昆虫(ゲンゴロウ、イトトンボ、カゲロウ類、ケラ類)、ヒル類、ミミズ類、タニシ、カワニナ、小魚(ハゼ類、フナ、オイカワ、カワムツ)など多種多様な生物を餌としている。水温が10℃以下になるとほとんど摂餌せず、冬には泥に潜っている。海域では多毛類も食べる。 |
繁殖生態 |
下りウナギの体長は雄で40〜60cm、雌で50〜90cm程度である。9〜2月に東シナ海に降海した親ウナギは南東方向に産卵回遊を行い、マリアナ諸島西方の北緯15〜18度、東経132〜140度周辺の中層部(300〜400m)で5〜6月に産卵する。産卵行動は、雄が雌を追い、互いに寄り添ってグルグル回り、雄が鼻先を雌の生殖孔付近に接触させる。この行動を繰り返して最高潮になると泳ぎながら放卵し、1〜3尾の雄が放精する。この時間は20分あまりである。卵は透明、球形の分離浮性卵で、直径は1.0mm。水温23度、38〜45時間で孵化する。 |
生息状況 |
現在、日本では年間8万トン以上のウナギを消費しているが、このうち96%以上は日本と台湾島で養殖されたものである。北海道での自然分布は極めて少ないと予想される。 |
環境庁RDB1991 |
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環境庁レッドリスト1999 |
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水産庁1998 |
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天然記念物 |
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備考 |
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