分類群 |
5 |
RDBランク |
6 (魚類) |
和名 |
シベリアヤツメ |
目科 |
ヤツメウナギ目   ヤツメウナギ科 |
学名 |
Lethenteron kessleri |
具体的要件 |
(1) 環境条件の変化によって容易に上位ランクに移行し得る属性を有するもの。a どの生息・生育地においても生息・生育密度が低く希少である。b 生息・生育地が極限されている。 |
分布 |
北海道と岩手県久慈川水系のみに分布する。しかし、後者の生息域の個体群は絶滅した可能性が高い。道内での分布は、白老から静内にかけての太平洋沿岸、および厚岸以東の太平洋沿岸からオホーツク海にかけての地域に多い。オビ川以東のユーラシア大陸沿岸とサハリンに分布する。 |
生息環境 |
主な生息場所は湖沼、湿原の細流、および河川中・下流域(Bb型〜Bc型)等で、アンモシーテス幼生・成魚ともに人為的に汚染されていない軟泥の堆積する淵、もしくは湧水池と、産卵場となる平瀬や淵尻、または水路の泥の被っていない礫底がそろっている環境に生息する。止水もしくは緩やか流れを好む。河川上流域(Aa型〜Aa-Bb移行型)では少なくなるが、小規模な淵に生息することもある。 |
生活史 |
一生を淡水で過ごす河川性種。産卵後約1ヶ月ほどで仔魚は産卵床から泳ぎ出て、軟泥の堆積する淵まで移動し、泥中に潜って生活する。3〜4年後の夏の終わりから秋にかけて変態し、成魚になる。最大体長は23cmくらいに達する。成魚は餌をとらずにそのまま越冬し、翌年の春に産卵後死亡する。 |
摂餌生態 |
アンモシーテス幼生は、泥中の有機物やけい藻類を食する。成魚は餌をとらない。 |
繁殖生態 |
産卵期は雪解け水の治まる4〜6月頃。産卵場所は河川の中流域の淵尻や平瀬、湧水池から流出する水路の礫底部分である。体長が小型のため、直径の小さな礫の部分が選ばれる。主に雄が口で礫を運び出すとともに、尾で砂礫を舞い立たせてすり鉢状の産卵床を作る。産卵形態は基本的にペア型であるが、一つの産卵床に雌雄多数が集合して乱婚形態をとる。雄は雌の頭に吸い付いて、泌尿突起が雌の総排泄孔の近くになるように体を巻き付け、互いに体を震るわせながら放卵・放精する。産卵後、卵を保護することはない。 |
生息状況 |
本種の生息する環境は、人為的に汚染されていない軟泥の堆積する淵と、平瀬や淵尻の泥のかぶっていない礫底がセットになっており、夏季の水温が25℃を越えないなどの条件が必要となる。北海道では、本種の分布域内においては現在のところ普通に見られるが、その生息数はよく判っていない |
環境庁RDB1991 |
希少種 |
環境庁レッドリスト1999 |
準絶滅危惧 |
水産庁1998 |
希少種 |
天然記念物 |
|
備考 |
|