分類群 |
5 |
RDBランク |
5 (魚類) |
和名 |
カジカ(中卵型) |
目科 |
カサゴ目   カジカ科 |
学名 |
Cottus pollux |
具体的要件 |
(1) 大部分の個体群で個体数が大幅に減少している。(2) 大部分の生息地で、生息条件が明らかに悪化しつつある。分布は数河川に限られ、生息数は少ない。河川内における生息場所である下流〜中流域において、堰堤などの河川横断物の設置により遡上が阻害されるなど、生息環境が悪化している。なお、カジカには小卵型・中卵型・大卵型の3型が存在し、3型それぞれ別種とされている。 |
分布 |
日本にのみ分布する固有種。道内に生息するのは中卵型のみで、道南の日本海側の比較的大きな数河川に限られる。このほか中卵型は、本州の日本海側、四国、九州の河川の下流〜中流域に分布する。小卵型は本州と四国の太平洋側の河川に、大卵型は本州、四国、九州の河川の中・上流域に分布する。 |
生息環境 |
中卵型・小卵型は中流域から下流域を中心に生息する。大卵型は主に上流域から中流域に分布し、山地の渓流域にまで生息する。いずれの型も瀬の石礫底に多い。 |
生活史 |
中卵型・小卵型は、孵化後直ちに降海する両側回遊魚で、大卵型は一生淡水で生活する河川性魚である。中卵型の生活史の詳細は不明。小卵型では、孵化仔魚は浮上後河川を流下し海洋に入り、約1ヶ月間浮遊生活をした後、底生的稚魚(体長13〜25mm)となって河川に遡上する。全長は17cmに達する。 |
摂餌生態 |
海洋生活期には主にプランクトンを摂食しているが、河川生活期に入ると付着性の水生昆虫を主に、その他流下昆虫、底生小動物および小魚等を捕食する。 |
繁殖生態 |
中卵型の繁殖生態については報告されていないが、繁殖様式は他の2型と同様である。小卵型では、産卵期は3月中旬〜5月中旬、瀬の石下の空所に雄がなわばりを張り、次々と雌を誘ってつがい、石裏に卵をしっかりと付着させる。婚姻形態は一夫多妻的な傾向が強い。産卵後、雄は孵化まで卵を保護する。 |
生息状況 |
本種(中卵型)は、本州の日本海側の集団が仔魚期に対馬暖流にのって侵入してきたものと推測されている。その生息数は他のカジカ属と比較すると極めて少ない。 |
環境庁RDB1991 |
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環境庁レッドリスト1999 |
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水産庁1998 |
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天然記念物 |
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備考 |
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