スミウキゴリ
学名 Chaenogobius sp.2   スズキ目   ハゼ科
分類群 5
RDBランク 5 (魚類)
和名 スミウキゴリ
目科 スズキ目   ハゼ科
学名 Chaenogobius sp.2
具体的要件 (1) 大部分の個体群で個体数が大幅に減少している。(2) 大部分の生息地で、生息条件が明らかに悪化しつつある。道内における本種の分布域は、南部の太平洋側の河川に限定され、同属のウキゴリ、シマウキゴリと比較するとその生息数はかなり少ない。近年は、河川河口部の護岸による汽水域の減少、河床改変による産卵環境の消失、落差工の建設による遡上阻害等により、本種の生息・繁殖環境が減少している。
分布 北海道の日高地方から、九州の屋久島までの河川に分布する。これまでのところ、湖からは記録されていない。道内では津軽海峡側と恵山岬から襟裳岬に至る太平洋側の河川に限定される。国外では朝鮮半島における捕獲記録がある。
生息環境 主に河川の汽水域から下流域に生息するが、稀に上流域に近いところまで遡上している河川もある。ウキゴリやシマウキゴリと共存する比較的大きな河川では、スミウキゴリは最も下流側に分布する傾向が見られるが、小河川ではすみわけが不明瞭となる。汽水域ではビリンゴより上流側に生息することが多い。
生活史 孵化後、河川を降り海洋で一定期間を過す両側回遊魚。孵化仔魚の全長は4.9mm程度で、直ちに海へ流下する。仔稚魚は沿岸部で遊泳生活を送り、全長約30mmに成長すると再び河川に遡上する。10月までに全長40〜50mmくらいに成長し、冬季は成長しない。最終的には全長約90mmに達する。
摂餌生態 仔稚魚は沿岸部での遊泳生活期には動物プランクトンを摂食している。河川生活に入ると、日中は汽水域のよどみの物陰や岸辺の草陰に潜んでいるが、夜間には隠れ場所から出できて、水生昆虫を中心とする底生動物や小魚等を活発に捕食する。
繁殖生態 道南での産卵期は5〜7月。河川では平瀬の水深10〜50cm、流速10cm以下の所にあるはまり石の下面に一層の卵を産みつける。各卵群は径約20〜60mmの円形あるいは長円形で、雄により孵化時まで保護される。本種は他のウキゴリ2種と比べて早熟で、産卵期間は長い傾向が見られる。
生息状況 本種は東北地方の日本海側から津軽暖流の流れにのって、北海道南部の太平洋側の地域に侵入したと推測されている。分布の中心となる西南日本では高頻度かつ連続的な分布であるのに対し、東北及び北海道では貧弱で不連続な分布となる。
環境庁RDB1991
環境庁レッドリスト1999
水産庁1998
天然記念物
備考