チョウザメ
学名 Acipenser medirostris   チョウザメ目   チョウザメ科
分類群 5
RDBランク 1 (魚類)
和名 チョウザメ
目科 チョウザメ目   チョウザメ科
学名 Acipenser medirostris
具体的要件 (2) 複数の信頼できる調査によっても、生息が確認できなかった。本種は大正から昭和の初期にかけて石狩川や天塩川に相当数が遡上しており、河川及びその近海で多数が捕獲されていた。当時は札幌の魚市場で普通に見られ、肉や卵は食用として利用されていた。しかし、昭和10年頃から急激に減少し、現在ではほとんどその姿を見ることが出来なくなった。
分布 国内では北海道各地の沿岸および、日本海側では新潟県、太平洋側では福島県以北の沿岸域に分布する。昭和の初期までは、石狩川と天塩川に産卵の為に遡上していた。国外ではサハリン、ロシア極東域、朝鮮半島、タタール海峡、ピーター大帝湾、北米などの沿岸に生息する。
生息環境 日本産の本種についての生態は不明な点が多いが、一般的にチョウザメ類は水温2〜29℃の範囲に生息可能で、水温に対する耐性は高い。海域での生息場所は、砂または砂泥底に貝殻等が混ざった沿岸域に棲む。冬には8℃以下、春には6〜12℃、夏には22℃、秋には12〜20℃のところに多く生息している。
生活史 産卵の為に河川に遡上する遡河回遊魚。稚魚は晩秋まで産卵場所付近で生活し初冬の頃に海へ下る。海洋では沿岸域の水深10〜40m層に生息するようである。春は北上、秋に南下回遊をする。成熟個体は秋に河口域に入り下流域で越冬し、翌春群をなして河川を遡上し、春〜夏頃産卵する。全長約2mに達する。
摂餌生態 稚魚は底生動物や小型魚類を食べる。海洋ではおそらく、海底近くを泳ぎ、頭部下面のひげを利用して泥土の上や中をさぐり、小動物を吸い取って摂餌すると考えられている。
繁殖生態 産卵時期は6〜8月頃で、雌雄が共に砂礫質の河川深所に群がり、砂礫底や水草などの上に卵を産み付ける。産卵後親魚はただちに海へ下る。産卵数は80万〜240万粒で、卵は最初黄色であるが、のちに黒色に変化する。卵径は約3mm。卵は約一週間で孵化する。
生息状況 現在でも北海道・東北地方の沿岸域で毎年2〜4個体ほど捕獲されているが、日本での産卵河川である天塩川・石狩川で成魚・仔稚魚とも全く見られていないことから、これらは沿海州系群が北海道沿岸に迷い魚として来ているものと推定され、日本系群は絶滅したと考えられる。
環境庁RDB1991
環境庁レッドリスト1999
水産庁1998 絶滅危惧種
天然記念物
備考 1):全体、2)日本産北海道・東北地方沿岸