キタサンショウウオ
学名 Salamandrella keyserlingii   有尾目   サンショウウオ科
分類群 4
RDBランク 4 (両ハ類)
和名 キタサンショウウオ
目科 有尾目   サンショウウオ科
学名 Salamandrella keyserlingii
具体的要件 (1) 既知のすべての個体群で個体数が危険な水準にまで減少している。(2) 既知のすべての生息地で生息条件が著しく悪化している。(5) ほとんどの分布域において有力な天敵が侵入している。本種の国内発見当時(1950年代半ば頃)に比べ、近年は釧路市の発展に伴い郊外の湿原・草原が開拓され、その生息地・生息数は著しく減少している。また、人為的な影響で産卵場所の水位が下がることがなくなり、天敵のトゲウオ類が侵入しやすくなっている例が見られる。
分布 国内では釧路湿原(釧路市,釧路町,標茶町,鶴居村)にのみ分布する。国外では、北千島、サハリン、シベリアから極東にいたるロシア北東部、中国東北部、北朝鮮、モンゴル、カザフスタンと、有尾両生類の単一種としては世界で最も広範囲に分布する。
生息環境 釧路湿原ではミズゴケが広がる高層湿原およびやち坊主(ヒラギシスゲ等の隆起叢株)が広がる低層湿原でヤチハンノキ林などが混在する所に生息する。越冬場所はハンノキ疎林地内と考えられている。サハリンや大陸では山林内の水たまりでも繁殖がみられ、生息環境は多様。
生活史 産卵は4月中旬〜5月中旬に行なわれる。冬眠から目覚めた個体は、湿原中に形成された水溜りや小池に集まり、雌は100から300卵が入った1対の卵嚢を産む。卵は5月下旬〜6月上旬に孵化し、幼生は7月下旬から8月上旬に変態・上陸する。上陸後は湿原、林床で離散して生活する。
食性天敵 幼生は主にミジンコ等の動物プランクトンやイトミミズ等、成体はミミズ、クモ類、昆虫類等を摂餌する。天敵としては、卵の段階ではヒルやトビケラの幼虫、幼生段階ではゲンゴロウモドキやトゲウオ類、幼体・成体の段階になるとアオサギ、タンチョウ、ミンク等が上げられる。
生息状況 現在、釧路湿原内で本種の繁殖が確認できる場所は35ヵ所ほどに過ぎず、このうち比較的繁殖数が多いのは3ヵ所のみである。今日では、繁殖に適したミズゴケ湿原を主体とする「高層湿原」と幼体・成体の生活や越冬に必要な林、草地が混在する生息適地は著しく減少している。
環境庁RDB1991 希少種
環境庁改訂RDB2000 準絶滅危惧
水産庁1998 危急種
天然記念物 釧路市及び標茶町指定天然記念物
備考